【沖縄】太陽光パネルと沖縄の気候との相性について解説

・理由その1：日陰では発電しない

太陽光発電は、太陽光がシリコンの半導体に当たると発電します。そのため、どんなに気温が高くても、どんなに日差しが強い地域でも、日陰になってしまうと発電しません。

・理由その2：温度が高いと発電効率が下がる

太陽光パネルの多くは、日本の平均気温“25℃”に合わせて設計されていますので、気温が上がると熱損失が生じ、発電効率が下がります。設備の機種にもよりますが、太陽光パネル自体の温度が1℃上がるごとに発電効率は約0.4～0.5％下がります。

この2つの理由により、「気温」が上がっても太陽光発電の発電量を増やすことができないため、「日照時間」が重要なのです。

次に、沖縄の「気候」の特徴と、太陽光パネルと沖縄の気候の相性について解説します。

一年を通じて温暖な沖縄は、夏は猛暑で、熱に弱い太陽光パネルには不向きと思われるかもしれません。しかし、沖縄は最南端に位置しているにもかかわらず、意外にも夏は涼しく、真夏でも35℃を超えることはめったにありません。そのため、真夏でも熱損失が生じにくく、発電効率も良好に保てます。

気温の観点からいえば、夏の沖縄は太陽光パネルとの相性はよいといえるでしょう。

しかし、「海に囲まれた島国であること」と「台風が多い地域であること」を踏まえて、塩害対策と台風対策が必要です。

では、沖縄における季節別の発電量の違いはどのようになっているのでしょうか。

沖縄に出力10kW未満の太陽光発電システムを設置した場合の、季節別の発電量の違いは次のとおりです。比較のため、日本で日射量の多い愛知県の1ヵ月の発電量も合わせて紹介しますので、目安としてご覧ください。

・春（3～5月）

沖縄県：総発電量は約1,617kWh、1ヵ月あたりの発電量は約539kWh

愛知県：1ヵ月あたりの発電量は約716kWh～770kWh

・夏（6～8月）

沖縄県：総発電量は約1,917kWh、1ヵ月あたりの発電量は約639kWh

愛知県：1ヵ月あたりの発電量は約690kWh

・秋（9～11月）

沖縄県：総発電量は約1,701kWh、1ヵ月あたりの発電量は約567kWh

愛知県：1ヵ月あたりの発電量は約575kWh

・冬（12～2月）

沖縄県：総発電量は約1,259kWh、1ヵ月あたりの発電量は約419kWh

愛知県：1ヵ月あたりの発電量は約574kWh

元々、沖縄県の日照時間は短いとされています。春頃の日照時間は特に短くなるため、春（3～5月）の発電量は少ない傾向です。

ただ、夏（6～8月）の総発電量は優秀で、秋（9～11月）・冬（12～2月）も愛知県と大差ない発電量が確保できることがわかります。

太陽光発電の設置で重要なのは、日照時間のデータ・年間の気温変化・台風などの天候的特徴を踏まえて、適切な場所に設置することです。さらに設置後の管理も重要ですので、設置する地域で実績・経験のある業者への相談をぜひご検討ください。